歯周病は歯周病原性細菌を含む多種の細菌から構成されるバイオフィルムが隣接する歯周上皮細胞を傷害するととも異常な免疫反応を誘導することで発症します。
イヌやネコは自身で口腔ケアができないことから多くの個体が歯周病を患っており、獣医師による定期的なスケーリングや飼い主による日々のハミガキが重要視されているます。

写真でもわかるように、歯周病のイヌは歯石と歯垢(茶色い物質)が歯の表面を覆い、歯肉境界部では化膿性炎症が発生し、歯肉が萎縮します。また、歯肉が萎縮しているということは、そのぶん歯槽骨も消失しているという意味になります。近い将来、歯が自然に抜け落ちることが容易に予測できます。
歯周病のイヌの歯肉境界部にある膿瘍(写真の白色物質)をギムザ染色で観察しました。

細菌塊を中心に脱落した歯肉上皮細胞と多量の好中球が周囲取り囲んでいることがわかります。